ゴルフ徒然
ゴルフ狂の詩
先生

合格に縁のない子供 ケース6 嫌われるあまのじゃく 小話58

不合格あまのじゃく

何をしても人をカチンとさせる子供がいる。
本人はいたって悪気はない。

しかし、何をしても怒らせてしまう。
大人の目から見ても
それは嫌われるだろうと思ってしまう。

トイレあるある

あるあまのじゃくが突然トイレに行きたいという。
授業が始まって5分と経っていないのにである。
しつこく休み時間に行っとけよと
声かけをしたにもかかわらずである。

許可すると急いで席をたち、
トイレに向かってダッシュ。

何人かのカバンを床に落とす。
床に置いているお弁当をシュート。
机に激突して筆箱が落ちて、
床に筆記用具が散乱。

謝る気配もない。
トイレで頭が一杯。
猪突猛進。

今はコロナ禍で教室のドアを開けっ放しにしている。
換気をするためである。

当然、ご丁寧に
わざわざ開けている教室のドアを閉めていく。
それも思いっきり。
音が教室に響き、
教室にいる生徒の怒りは頂点に。

やっと帰ってきたかと思うと
濡れた手で通過する机の上をいちいちタッチ。
机を触られた女の子が
キャーキャーと

こっちまでイライラが蓄積してくる。
呼んで注意しても
なんで怒られているのか理解できない。
自分はトイレに行っただけだと言い張る。
とほほ。

授業あるある

ある時は
授業中、ボーッとしている。
鼻くそをほじっている。
指を口に持っていく。
その様子を見ている女子の顔が歪む。

その後はお構いなしに
消しゴムのカスを丸め出す。
ネリ消しと言って喜んでいる。
そのネリ消し、雪だるまのようにどんどん大きくなる。
あどけない顔で幸せそう。

ところが授業の終了前になると
俄然やる気を出して、
急に問題を解き始める。
教室では授業の終了が近づき
帰り支度をする者も。
あまのじゃく、急に粘り始める。

終業のチャイムが鳴って
宿題の内容を黒板に書き始めても
問題をまだ一生懸命に解いている。

みんなが写し終えて
挨拶をしようとすると、
自分を無視してひどいを連呼。
他の生徒の怒りを買い、
罵声を浴びせられる。

強行に終わらせて、
他の生徒を解放すると
一人、机に突っ伏して泣き出す。
「天邪鬼の目に涙」
こんなことわざあったっけ?

宿題あるある

さらに、
いつもは宿題の点検をすると、
「やっているが、ノートを忘れた」
と言い張る。
嘘を暴く気にもなれない。
面倒臭い親の手を煩わすのも気が引ける。

今日は用事があるので、
宿題の点検はしないと伝えると、
「折角持ってきたのにひどい」
と訴えてくるあまのじゃく。
なんでこんなタイミングだけ持ってくるんや。

あまのじゃくの末路

当然、クラスの子供たちから無視される。
あまのじゃくを相手にする子供はいない。
自分が嫌われていることに気づかないあまのじゃく、
親しいと勘違いしている子供の周りに近づくも
「近寄るな」
と言われてびっくりする。

今度はいじめられたと親がお出まし。

もう、相手にしてられない。
この後はお馴染みの決着に。

退塾して別の塾へ。
さらば、あまのじゃく。

でも、次の塾でも結論は同じだろけどね。

こんな子供は珍しくない。
毎年存在している。
自分一人だけの世界で生きる子供。
人の気持ちを推し量ることができない。
自分はいつも被害者なのである。

保護者はそんな子供の様子を知る由もない。
気づいた時には既に遅し。
不合格の通知を受け取り
何年間かの塾通いは
時間と費用の無駄に終わる。

塾の様子をどうして
素直に聞けないのか
不思議な大人たちである。