ゴルフ徒然
ゴルフ狂の詩
先生

合格に縁のない子供 ケース2 ベッドに合わせて足を切られる子供たち1 小話54

不合格無気力症候群

授業をしていて気になるのが
子供達の多くが無気力。
目がうつろ。
焦点が定まっていない。
ノートの字はミミズのダンス。
解読不明の暗号だらけ。
発言を求めても無言。
合格の二文字は他人事。
合格は保護者の関心事に。

元気一杯で無邪気な小学生の授業のはず。
活気に溢れ、みんな元気一杯。
熱気ムンムン。
好奇心旺盛。

これは一昔前の授業の様子に。
今になっては見る影もない。

合格に縁のない、気絶する子供たち

少し前のこと。
眠気のために授業中に
気絶をしたように寝ている子供がいた。
授業中に起こしても無反応。
授業を中断できず取り敢えず
放置して授業へ。

授業が終わって生徒が帰りはじめ
大きな声でさよならの挨拶。
そんな中、彼女一人、起き上がる気配もない。
「授業、終わったよ」
声を掛けたが
うんとすんとも言わない。

こちらは何かの疾患かと心配。
周りで笑っていた生徒も顔が引きつり始める。
何人かの生徒が職員室へSOS。
女性の先生に来てもらい、
体を揺すってもらうが反応なし。

すわ、緊急事態と、
お迎えに来られていた保護者に
教室まで来てもらう。

激しく体を揺すっても起きない。
保護者も焦りながら
激しく叩くと起きる。

起き上がっても少しの間
何が起こっているのか
理解ができないようで、
意識が朦朧としている。

少し時間が経ってくると
置かれている状況を理解したようで
教室に生徒が一人も居ない様子に目をパチクリ。

本人曰く、
知らないうちに意識がなくなっていた。

そして毎日学校の宿題と塾の宿題で遅くまで起きて
課題に追われていたそうだ。

迎えに来ていた保護者は
かなりの睡眠不足になっている事実を目の当たりにして
驚かれている様子。

これはほんの一例で
何人もの生徒がこんな状態に。
昔はあり得なかったことを
度々経験するようになった。
真面目な女の子に多い。

宿題はいつもきちんと取り組んでいるし、
起きている時の授業態度も良好だが、
成績は惨憺たるもの。

第一志望校合格は程遠く、
受験を通して勉強にトラウマを持ってしまう。

合格に縁のない、記憶できない子供たち

また、授業中は起きているが、
現実感覚がない子供がいる。

テキストのページ数を伝えても
該当ページ数が覚えられない。
何度も聞き直してくる。

二、三度聞いてページを開く。
簡単な情報の認知が出来ない。

先生の指示は間接的にしか理解できない。

解いている問題番号も
周りの生徒から情報を入手。

物語にたくさんの登場人物が登場すると、
人間関係がこんがらがって
脳のメモリがパンク状態に。

主人公は誰だったけと隣の生徒に質問。
当然、バカにされるのがおち。
国語力のある女の子に呆れられる。
孫の名前を覚えられないおじいさんか。

授業が佳境に差し掛かる頃になると
ノートに先生の話にと忙しくなってくる。
必死に授業についてくる生徒がいる。

そんな緊迫した空間にもかかわらず
ノートに恐竜が溢れかえる。
四次元ノートの製作に余念がない
じいさん少年。

遠い過去に想いを馳せて
懐かしがっているのか。
いや、はたまた現実逃避か。

まあ、そんな時代に人間はいないけどね。

塾の都合

この無気力を促進する要因が
大手塾のシステムにある。

大手塾のシステムは
合格に最適化されて作られていない。

塾の本音

それは儲けを確保するためのシステム。

駅前の一等地に巨大な教室を維持するのには
莫大な資金が必要だ。

生徒数を確保するために
さまざまな媒体で宣伝をしている。

テレビ、ラジオ、新聞、電車広告・・・・・・

派手に生徒を募集。
この広告費が凄まじい額になることは
簡単に想像できる。

塾という企業を維持するため
単価の高い
数多くの講座を設定。

生徒数を確保して
客単価をいかにして上げるか。
大手塾の当面の課題。

パック化の犠牲者

客単価を上げるために
全ての講座をパックにして販売。

このパック化が大問題。

必要な講義のみを受講できれば
合格に最適化しやすい。

ところが全ての講座を受講すると
受験学年になるとほぼ毎日塾に通う。

無茶な日程を組むことに。
このパック化が子供の日常を破壊。
ほぼ毎日塾に行くことになると
その通塾の往復時間だけでも恐ろしい時間になる。

さらに都市部の塾に電車に乗って通うとなると
その浪費する時間は膨大なものになる。

そして学校の宿題と毎日の塾の宿題が
ボディーブローのように効いてくる。

学校の先生は習い事のない前提で宿題を課す。
塾の時間を考慮した家庭学習を課すことはない。

一方で塾は各講座の先生が連携して
宿題量を調整しているわけではない。

各教科の先生が好き勝手に宿題を課す。
自分の教えているクラスの成績を上げたい一念で
大量にお土産を持たせる。

講座の数だけお土産が発生。

塾には学習量を管理する司令塔が存在しないので
子供の勉強時間は睡眠時間を蝕む。

親は洗脳されているので、
このオーバーワークに気付かず。
宿題を消化しきれない子供は
塾でも家でもプレッシャーをかけられて
心は壊れていく。

先程紹介した子供たちの出来上がり。

自己防衛策

子供主体のカリキュラム

塾のスケジュールを基礎にするとこんなことに。

塾ではなく子供の都合を優先したいところ。
特に譲れないのは睡眠時間。
睡眠時間の確保と決まった時間の入眠。

現代の脳科学が証明しているように、
集中力とモチベーションは睡眠抜きでは手に入らない。

それも8時間以上の睡眠が不可欠。
体の不調の原因の殆どが
睡眠の質に関係があることがわかってきている。

この部分が欠けると
気絶少女と
じいちゃん少年が
出来上がる。

例えば、
23時に寝るように設定。
8時間の睡眠時間を確保して
朝は7時に起床。

すると夜の食事は最低でも
20時ごろから食べ始めて
21時には終わらせる必要がある。

食事と睡眠の間は2時間空ける必要があるから、
学校から16時に帰宅したら
食事までの4時間と食事後から就寝までの2時間。
計6時間がフレックスの時間。

さらに家庭学習の時間を2時間と
レクリエーションの時間を1時間。
準備や風呂に入る時間等の日常で必要な時間を引いていくと
2時間足らずが通塾に使える時間。

最低限の体と心の健康保つためのギリギリのラインだ。
子供の都合から逆算して計画を立てる。

2時間を有効に使うためには
通塾時間を考慮しなければならない。
片道30分、往復1時間
この時間が無駄。
交通機関を使わないで済ませたいところ。

通うべき塾

お勧めするのが

近所の柔軟な塾

受験業界の人間から見ると
大手の塾も小さい塾もレベルの差はない。

学習塾の放浪者の私が言うのだから間違いない!

テキストもどこの塾も代わり映えしない。
入試問題を少しアレンジしたものがテキストになるからだ。

教えながらよく気付く。
この問題はどの塾でも使われているなぁと。
結局教えなければならないところなんて
どの塾も変わらない。

先生の質も同じようなもの。
相性の良い先生に巡り会えたら
ラッキー。

先生の質を気にする必要はない。
優秀な先生はいないから。
優秀だったら一部上場企業に勤めている。
びっくりする程の安い給与の塾なんかにまず来ない。

諸々の状況を考えてみる。
講座を柔軟に選択できる。
通塾時間を節約できる。

近所の柔軟な塾の一択。

パック化の犠牲にならずに済む。

通塾時間を家庭学習に充てられる。

合格実績は見ない

合格実績など無視、無視。
あれはただの数字。
なんの意味もない。

あるとすれば、
生徒数が多いことを
自慢しているだけ。
その程度の意味しかない。

数字なんていくらでも操作できる。
個人情報に世間の目が厳しくなっている現在、
逆に簡単に数字をいじれる。

まやかしの数字に惑わされてはいけない。

大手予備校が毎年発表する合格者数。
足していくとすごい数字に。
東大が簡単に入学できるように思えてくる。

よく仲間内で、
東大の募集人数は一体何人になるのと?
笑い話をしたもの。

これと似たことが大手の進学塾でも起こっている。

単発の無料講座を受講した外部生や
大手塾の傘下にある個別指導で少し指導を受けた生徒、
酷い場合は志望校の冠テストを受けただけで
自塾の合格実績に加えているところがほとんど。

こんなつまらない数字に振り回されないように!

無気力な子供をつくらないためにも
塾の都合に合わせないことが大事!