ゴルフ徒然
ゴルフ狂の詩
先生

変態人気先生 小話9

小池さん、ごめんなさい

二年連続で緊急事態宣言下でのゴールデンウィーク になりました、去年はステイホームで家に大人しく居ましたが、今年は関西に帰省しました。コロナ禍で長期間帰省できず、一人暮らしの母の様子を見るために無理をして帰ってきました。

久しぶりに見る実家の街並みは懐かしいながらも所々に変化があり驚きです。昔ながらのお店が閉店していたり、大型モールができていたりとコロナ禍の変化の激しさを感じます。若い頃から利用していた個人商店がなくなり、特に昔お世話になっていた個人塾が大手のフランチャイズの個別指導の看板にかけ変わっているのを見ると寂しさを感じます。昭和は遠くなりにけりです。

十年前まではここ関西で受験指導にあたっていました。関西は個性的な先生が多く、良い意味で先生っぽくない人が塾内に生息しておりました。あまり関東の塾ではお目にかかれない天然記念人です。

天然記念人 一人目、いらっしゃい

スーツ姿にウォーキングシューズを履き、ワイシャツの内側はどこかドイツのサッカーチームのユニフォームのレプリカを着ている。暑くなってスーツの上着を脱ぐとうっすらとドイツ人の名前と背番号11が。当時勤めていた塾のエースストライカーです。

天然記念人 二人目、いらっしゃい

ネクタイをしないで紐をネクタイ代わり巻いてくる先生もいました。スポーツ新聞とテキストを手に丸めて持って現れます。えっ、カバンは?日曜日の特訓後は競馬場へ直行。職員室ではギャンブルで家一軒分は使い込んだが口ぐせでした。

天然記念人 3人目、いらっしゃい

はたまた、国公立大学の医学部を卒業しているのに医者にならず、塾の先生をしている人もいました。面白い哲学を持ち、塾の先生が性に合っているとよく語っていました。とかく声が大きく、天性の大声の持ち主です。2階の教室の授業が1階の教室まで聞こえてくるぐらいで、外に暴走族が走っていても普通に授業が成立していました。よく一緒に帰ったのですが電車の中でも教室と同じ調子で語り始めます。車両から人がどんどん消えていき豪華貸切列車になっていきます。よく、二人だけで車両を独占したものです。居酒屋でも大活躍。店の中がごった返していて賑やかな時でも、必殺技「すいません」の一撃で店員が一直線でテーブルに現れ、サクサク注文が通っていきます。隣の女子四人組は怒っていましたが。

永遠のスター

挙げればキリがないのですが、面白い先生が当時の塾にはたくさんいました。穏やかで人柄が良く、どんな人にも気安く話をします。彼らが居るだけで、周囲の人はを明るく元気になります。特に生徒には絶大な人気を誇り、子供たちは毎週授業を楽しみにしていたようです。当然、人気だけでなく分かりやすい授業でクラスの成績も伸びていました。味のある人生を送りながらも、凄腕の先生だったのです。

私もあの凄腕の先生達と同じような年齢になりました。もうかなり前に引退された彼らのようになったのかは分かりませんが、今でも目標であることは確かです。一歩でも近づけたらと精進をしているつもりです。関西の街を歩き懐かしい人達を思い出していると、受け持つ受験生と全力で向き合っていこうと思いが強くなりました。