ゴルフ徒然
ゴルフ狂の詩
ライター

飛行機からの景色 小話17

飛行機最高

飛行機に乗り込むために空港のロビーでのんびり。本当に人が少なくてビックリです。荷物検査もほとんどのレーンが閉鎖されて閑散としています。その分、いつもより検査が厳しいような気が。たくさんの人が並んでいる時はこんな面倒なことをしてたっけ?

飛行機が離陸する時のスピード感と浮き上がっていく感覚がとても好きで、あえて新幹線よりも飛行機を選んでしまいます。気分が上がりこれから帰ってから、がんばろうとやる気が出てきます。飛行機嫌いの人からは変態と言われます。

大きな視野

離陸して数分すると地上の景色がミニチュアになっていき、その地域が俯瞰的に見えてきます。鳥の目になる瞬間です。とてつもない大きな視野を獲得できます。

ここで面白い逆転現象が起きます。飛行機は時速500キロという凄まじいスピードで飛んでいるにもかかわらず、見える景色はほとんど止まって見える。目を凝らさなくても、眺めているだけで全体像がはっきり捉えられます。

国語の景色

この逆転現象は国語の読解に取り組んでいる時の景色と似ているところがあります。読んでいるスピードをどんどん上げていくと、途中から作者のメッセージが何となく受け取れるようになる。作者のメッセージは場面ごとに変化するものではなく、話の中心を貫いているものです。このメッセージに気付くといくらスピードを上げて読んでもストーリーが心地よく頭に入ってきます。

作者の意図が分かると意識の高度が上がり話全体を俯瞰的に見ることができるようになります。鳥の目を獲得する瞬間です。この状態まで来ると飛行機のように安定します。少々先行きが見えなくても内容を類推することで、話の先読みができるようになり、問題に振り回されなくなります。

国語が苦手な人はこの高度を上げるのが下手なんです。高度を上げないと目の前の激しい変化に対応できず目が回る。登場人物が増えてくると人物の特徴に意識が行き過ぎて話の根本を見失ったりします。

ストーリーが地上のどの辺りを走っているのかを確認するカーナビのような視点を持つことが重要です。普段から物事を俯瞰的に見る癖をつけていけば国語は難しい教科にならないはずです。