生まれつきの一人趣味
幼児の頃から友達とはあまり連まず、ゴルフバックを持って家の前をウロウロという話は以前にした。
母曰く
もう一つ友達と遊ばずに一人で遊んでいた遊びがあると言う。
それが
トミカのミニカー
であったらしい。
父が毎日のようにミニカーを買ってきた。
恐らく300台以上が押し入れに駐車されていたという。
乗用車から緊急自動車、
さらにはトラックにダンプ。
高級外国車と種類も様々。
その中でも特にお気に入りだったのが何故かオレンジ色のタクシー。
高級な外国車には目もくれずオレンジのタクシーをずっと握り締め1人で遊んでいたと言う。
ガソリンスタンドが駐車場
そんな歴史を振り返っても、ドライブは切っても切れない趣味なのだ。
ところが、悲しいことに車を所持していない。
都内に住んでいると駐車場代が車の所持を阻む。
車の好きにとっては憎き駐車場代なのである。
車を所持していないので近くのガソリンスタンドにあるレンタカーをいつも利用している。
1日乗り回しても2500円!
さらにガソリンスタンド併設で給油の手間も省けて便利。
さらに24時間営業で夜中に借りて早朝に返却可。
私の無料駐車場である。
出発直後のアクシデント
雨の中、朝9時に地元を出発し、首都高に乗ろうとしたときにアクシデント発生。
ETCゲートを通ろうとすると、ゲートが開かずもう少しでゲートを破壊しそうに。
係のおじさんと後続車に睨まれながら原因を聞くことに。
カードの有効期限が切れている!
あれ、おかしいなあ。
今月、新しいカードが来たはずなのに。
車載器からカードを抜いて確認すると、
古いカードが。
しまった。
古いETCカードをなぜか廃棄せずいつまでも財布に入れていたことが原因である。
プチミニマリストを自称しているが、
クレジットカードだけは廃棄せず財布に入れている癖がある。
期限切れの古いカードを大事に財布にしまっていた。
水原秋桜子
無事にゲートを通過し目指すは房総半島の南端。
房総半島の南端は未知の地。
楽しみである。
まずは東京アクアラインを通り、海ほたるで休憩。
アベックと家族連ればかりで、お一人様の来るところでなかった。
トイレを済まして即退却。
その後木更津に上陸し、館山道を爆走し南の地へ。
保田小学校道の駅を発見。
コンテストでベスト8に入った有名な道の駅である。
幸い今日は雨。
人が少なかった。
家族連れとアベックも少なめ。
雰囲気はなかなか良い。
小学校を改造した道の駅で、教室を改造した食堂レストラン等が軒を連ねていた。
中には給食で使われる食器をそのまま使ったレストランが。
かなり懐かしい。
得意科目が給食だった私にとっては非常に魅力的な器である。
なぜこの小学校を道の駅として残していたのか?
疑問であった。
その疑問が晴れたのは、会計で並んでいる時。
レジの真上にこの小学校の当時歌われていたであろう校歌が載っていた。
作詞 水原秋桜子!!!
そういうことね。
そりゃ、残したいわ。
来週、授業で俳句を教えることになっている。
なんというタイミングの良さ。
有名な句に、
啄木鳥や 落ち葉を急ぐ 牧の木々
がある。
国語の教科書に取り上げられている句だ。
よし、私も国語の先生として
ここで一句
ぼうそうの はてに出会いし 秋桜子
あちゃー、愚作。
失礼しました。
土産物売り場で旬のびわを発見。
懐かしい。
子供の時によく食べた。
南房総はびわの産地であるようだ。
かなり大振りのびわでおいしそう。
運転のお供に6個購入。
途中車中で完食。
かなりの美味。
その日丼
目指すは房総最南端の野島崎灯台。
走っている途中にお腹がぐーぐー。
海の側を爆走しているのだから当然、
海鮮丼
どこかおいしい海鮮丼がないか?
調べてみると相浜亭という食堂を発見。
迷いながら、店の付近まで来ると
ボロボロになったテナントが1つ!
車を止めて近寄ってみると中はがらんどう。
あれコロナの影響で廃業した?
無駄足であったと雨の中、立ち尽くすこと数十分。
あちらから賑やかな声が。
あれ、古い店舗に人が並んでいる。
あっちか!
がらんどうの看板に騙されてもう少しで帰ってしまうところであった。
店に入ってみるとずらりと有名人のサインが。
美川憲一のサインが。
土屋太鳳のサインが
期待が膨らむ。
店中はかなりの混雑。
予想通り海鮮丼は売り切れ。
oh my god!
仕方がないのでおすすめの
「その日丼」
を頼んで食すことに。
その日丼とはその日に仕入れて残っている食材で作る海鮮丼のようだ。
中に入っていたのは
たまご、
椎茸、
ウニ、
アワビ、
ホタテ、
サザエ、
貝柱、
イカ、
タコ
であった。
む!魚が一匹もいないのですが・・・・・・
ただ味は絶品。
一路、最南端へ
相浜亭を出ていよいよ最南端の野島崎へ向かうことに。
この頃から雨が急に激しくなり、傘を持ってこなかったことを後悔。
野島崎はあまり人がおらず、車を簡単に駐車。
野島崎灯台がある方向へ歩いていくと、海の方へ散歩道が続いている。
散歩道を歩いていくと岩の上にベンチが1つ。
そのベンチから夕日を見ると絶景だそうだ。
ところが今日は雨。
夕日を見たいが。
しけてる海が見えるだけである。
まあ、せっかくなのでベンチに腰をかけてみる。
おー、太平洋の景色はなかなか爽快。
海は気分が落ち着かせる。
何もないから落ち着くのか?
雨の中をウロウロしていたせいで服はびっしょり。
天然パーマの髪の毛がさらにくるくるに。
すみっコぐらし
なぜか人は端っこに憧れる。
始発電車に飛び乗った乗客の座るシートは端っこである。
端っこには何かたまらない魅力があるようだ。
房総の最南端であるこの地にも何かがあるわけでは無い。
しかし、立っているだけで何か魅惑的な感覚が湧き上がる。
確か「すみっコぐらし」というかわいいキャラクターがいたような。
子供たちがそのキャラクターの付いた文房具を持っていた。
「かわいいね」と声をかけると、
「なんか、さみしそうなところがいいんだよね」
と。
デフォルトが孤独に設定されている人間の哀愁。
一人で生まれる。
一人で死んでいく。
言い知れぬ寂しさがキャラクターたちに漂うのか。
なるほど。
言葉にならないメッセージを子供たちは受け取っていたのだろう。
端っこ、あやうい魅力
端っこには人を惹きつける危うさがある。
目の前をきゃーきゃー賑やかな家族連れが。
辿り着いた海の茫々たるさまを見た瞬間
無言に。
真顔に。
そこに居るだけで心の鎧が溶けていく。
素の姿があらわになる。
何もにも抗えない無防備な自分がそこに居る。
感傷に浸りながら野島崎の灯台を眺める。
外房にも足を運び、最後のお目当てが
バチェラーハウス。
あれ、あのギラギラは。
多分、これだよね。